神前式で誓いの言葉を読み上げる「誓詞奏上」とは?基本のマナーも紹介
チャペルでウェディングドレスを着て挙式するのも魅力的ですが、最近は和装婚ブームに伴って神前式ウェディングの人気も高まっています。神前式にはいくつかの儀式があり、その中のひとつに「誓詞奏上」という誓いの言葉を読み上げる儀式があります。基本的には、新郎が誓詞を読み、新婦は自分の名前の部分のみを読み上げます。ですが、神社によっては新郎新婦ふたりで誓詞を読むこともできますし、交互に読み上げるオリジナルな誓詞奏上も可能です。
誓詞奏上の内容
神様に結婚を報告する意味がある誓詞奏上。その内容は、「結婚の報告」「夫婦の誓い」「誓詞の締め」の3つで構成されています。基本的には式を挙げる神社で誓詞を用意してくれますが、この3つの内容で構成されていれば定型文を読み上げるだけでなく、新郎新婦が自分たちの言葉で誓詞を作成することもできます。
新郎が読み上げることが多いため、新郎にスポットが当たるシーンになっています。
結婚の報告
結婚の報告は、「今日を佳き日と選び、○○神社の大前で結婚式を挙げました」のように、その場で式を挙げたことを神様に報告する文章にします。
夫婦の誓い
夫婦の誓いは、夫婦として愛情を持って助け合いながら過ごしていくことを文章にできれば良いので、オリジナルな言葉で綴っても構いません。
誓詞の締め
誓詞の締めは、「何卒幾久しくお守りください」などの言葉で締め、日にちと名前を付け加えます。神社によって定型文があると思いますし、インターネットで例文を調べることもできるので、参考にしながら素敵な誓いの言葉を作成してみましょう。
神前式当日の流れ
神前式当日にはその日の流れが存在します。記事タイトルの誓詞奏上はその流れのうちのひとつです。当日の具体的なスケジュール感をご説明します。
①三進の儀
巫女さんに先導されて新郎新婦が神殿へと向かう儀式です。この時、参列者も一緒に神殿に向かいます。神殿への入場は、新郎新婦と血縁が強い参列者順に入場し、その後に新郎新婦が入場します。
②修祓の儀
挙式の前に新郎新婦と参列者はお祓いを受けて心身を清めます。
③祝詞奏上
斉主がふたりの結婚を神様に報告する祝詞を読み上げます。
④三献の儀
新郎新婦がお神酒で三三九度の盃を飲み交わします。
⑤誓詞奏上
神前で新郎が誓いの言葉を読み上げます。新婦も自分の名前を読み加えます。一生の契りを結ぶ、もっとも緊張する瞬間です! また、参列者にとっては絶好のシャッターチャンスでもあります。
⑥指輪の交換
新郎新婦間で指輪を交換します。これで晴れて夫婦になったことになります。
⑦親族杯の儀
両家の結び付きを祝って、新郎新婦、参列者一同でお神酒を3口で飲みます。
⑧斉主挨拶
斉主と一同が神前に拝礼し、改めてお祝いの挨拶を行います。その後退出します。
誓詞奏上の作法で気を付けたいポイント
誓詞奏上の際には、誓詞を開いたり閉じたりするときの作法と、読むときに誓詞を持つ高さに気を付けましょう。誓詞を開くときには、親指を上から差し入れて中腹まで下げ、そのまま親指を立ち上げて開きましょう。誓詞を読み終えて折りたたむときにも、同じ動作で左から元の状態に戻します。また、誓詞は神様に向けて読むものなので、誓詞を目線より下げないように気を付けます。誓詞を読み終えたら、神前に供えて終わりです。
このような作法をどの程度厳格に行うのかは、神社によって異なります。
【おまけ①】新郎新婦の当日の衣装は?
神前式は和装で行います。新婦であれば白無垢がもっとも格が高いとされていますが、近年では色打ち掛も着用されることが多いようです。髪型については角隠しが基本です。それでも近年では好みのヘアスタイルでもOKと自由度が高くなってきています。一方新郎は、五つ紋付羽織袴がお約束です。
【おまけ②】最高の神前式にするための基本マナー
神前式を彩るためにもマナーがあります。基本マナーを覚えておきましょう。
友人を列席させてもいいの?
本来は親族のみで行う神前式ですが、最近では友人の列席も可能な会場も増えています。友人の列席を希望する時は、事前に会場に確認してみてください。
儀式での所作を事前に練習しておく
さまざまな儀式がある神前式、いきなり本番というのは難しいものです。筆者も神前式でしたが、本番の前にスタッフが儀式についてレクチャーしてくれたので本番では滞りなく行うことができました。本番の前に「何をどうする必要があるのか」を練習しておくことがスマートな神前式を成功させる秘訣です。
神社への謝礼金を確認する
神社に納める謝礼金を「玉串料(初穂料)」と呼びます。挙式の料金に含まれている場合もありますが、別に納めることもあるので事前に確認しておきましょう。相場は10万円ほどです。
神様と言えば……神々の棲む島、バリ島ウェディングもオススメ
神前式は、神社や神殿で神様に結婚を誓う日本ならではの挙式のスタイルです。ただ、天候に左右されやすい、列席者が限られる、などのデメリットがあります。神様に結婚を報告するのなら、神々が棲む島とまで称されるバリ島でのウェディングも検討してはいかがでしょうか。雨季であってもスコール程度で天候にも左右されず、日本の神前式よりも堅苦しくなく神様に結婚を報告できますよ。